「白タク合法化の新法は絶対阻止」/タクシー運転手ら約120人が街頭宣伝

 一般人が自家用車を使って有料で客を運送するライドシェアをめぐり、タクシー運転手ら120人が6月7日夕方、都内のJR田町駅前(港区)でライドシェアを全面解禁する新法成立の動きに抗議の声を上げた。通行人に新法への問題提起のメッセージを添えたハンカチを配布し、「新法では運転手は業務委託で、最低賃金は守られず労働時間の管理もない」「白タク(無認可の違法タクシー)合法化を何としても阻止する」と訴えた。主催は、全自交労連や私鉄総連、運輸労連などの組織でつくる交運労協で、今後は全国規模で宣伝活動を展開するとしている。

 ライドシェアは今年4月から、タクシー会社が運行・車両の管理、運転手の研修を行い、タクシー不足の地域・時間帯のみに限定して運行する「日本型ライドシェア(自家用車活用事業)」が導入されている。これに対し、ウーバーなどのタクシー会社以外の参入を認める全面解禁に関する法改正の議論について、当初は6月までに結論をまとめる方針が示されていた。

 しかし、早期の全面解禁を求める河野太郎規制改革担当相と、慎重な姿勢の斉藤鉄夫国交相の間で折り合いがつかず、岸田文雄首相が5月末に期限を設けずに検討するよう指示している。

※写真の一部を加工しています