どう見る?高市政権の積極財政/悪化懸念招けば、物価高と負担増の悪循環に/最重要課題は「財政の透明化」

「責任ある積極財政」を掲げる高市政権が2月8日の衆議院選挙で圧勝しました。食料品への消費税減税や積極的な財政出動への期待が高まる一方、 財源の裏付けや金利・為替への影響を危惧する声も聞かれます。慶應義塾大学の白井さゆり教授に、高市政権の経済政策への評価や金利上昇のリスク、そしてAI時代に求められる労働組合の役割についてお話を伺いました。
――高市政権は「責任ある積極財政」を掲げ、選挙で圧勝しました。この政策をどう評価していますか。
まず、「責任ある積極財政」という言葉ですが、具体的な中身がまだ明確ではないと思います。高市首相は、食料品の消費税減税(財源約5兆円)や160万円の「年収の壁」対策(同約3兆円)などを掲げています。とくに前者の財源については「国債を発行せずにできる」と主張していますが、なかなかハードルが高いと感じています。
ここ数年間は日本の財政が幾分改善しています。これは、インフレや円安によって消費税や所得税の税収が上振れており、企業利益もかさ上げされて法人税収も増えていることにあります。いわば歳入面からみると「恵まれた環境」があったからです。その結果、国債発行を抑えることができていただけに過ぎません。しかし、今後は歳出増に加え、インフレの鎮静化に伴い税収の伸びも落ち着くでしょうから、国債発行が増える可能性は高いと考えられます。
(※記事の続きは「機関紙と宣伝」3月号をご覧ください。)

